浮気不倫の慰謝料請求と離婚の準備の部屋

不倫相手に慰謝料請求する適切なタイミングを解説【離婚する場合】

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配偶者の不倫が原因で離婚することになった場合、配偶者の不倫相手にも慰謝料請求ができる場合があります。

不倫相手にも慰謝料を請求しようと考えた際、疑問として次のようなことが出てくるのではないでしょうか?

  • 不倫相手に慰謝料を請求するタイミングはいつが適切?
  • 配偶者と不倫相手を同時に請求すればいいの?
  • 不倫相手から簡単に慰謝料を払わすには?

不倫が原因で離婚する場合、不倫相手に対する慰謝料請求のタイミングを間違えれば、成功率も下がるし時間もかかります。

ここでは不倫相手に慰謝料を請求するタイミングや順序について解説。本記事を読めば、不倫相手に対する慰謝料請求の適切なタイミングや順序が分かり、慰謝料を簡単に受け取れる可能性が高まります。

専門家
本記事では、解説をわかりやすくするため、夫が不倫をした設定でお伝えします。

不倫相手に慰謝料請求する前に確認すべきこと

白の画用紙に黒のボールペンでCHRCK!の文字が書いてある

夫の不倫が原因で離婚するケースは多いです。

妻とすれば、不倫した夫に慰謝料を払ってほしいと思うのは当然、夫の不倫相手にも慰謝料を払ってほしい! と考えるでしょう。

※ 不倫相手に慰謝料請求できる要件や請求の流れは「【慰謝料請求の流れを解説】夫や妻の不倫相手に慰謝料請求したい!」で取り上げています。

実際に不倫相手に慰謝料を請求する際、事前に確認すべきなのが次のことです。

夫に対して、不倫相手にも慰謝料請求を考えていると伝えたとき、夫がどのような反応をするか?

このとき夫が何も言わなかったり、請求することを少し否定するほどなら、不倫相手に慰謝料を請求してもかまいません。不倫相手に慰謝料を請求しても、この先の離婚手続きに何か大きな支障がでる可能性は少ないからです。

しかし夫が不倫相手を必死に庇ったときは、今は不倫相手に慰謝料請求するのは控えるべきでしょう。

不倫相手との交際を終わるのを恐れている

現時点で、不倫相手に対する慰謝料請求を避けるべき理由は、夫は離婚した後に、不倫相手と再婚を考えている可能性があるからです。

再婚を考えていなくても、今後も交際を続けていきたいと考えている可能性も大いにあります。

妻が不倫相手に慰謝料を請求することで、不倫相手が夫を嫌ってしまい、交際関係を終わらす事態を恐れているのです。

夫がこのように考えているのに、妻が不倫相手に慰謝料を請求してしまえば、強い嫌悪感を抱きます。夫とすれば不倫相手と交際が終わる事態は、何としてでも回避したいと考えています。

離婚前に不倫相手へ慰謝料請求するリスク

夫がこのように考えているのに、妻が不倫相手に慰謝料を請求してしまえば、夫は妻に対して強い憎しみをもちます。夫がこのような心境になることは、離婚時の話し合いにおいて最悪でしかありません。

妻が養育費や財産分与、慰謝料などの離婚条件を夫に話しても、妻に憎しみをもった夫は妻の要望を聞き入れません。何を言っても「養育費は○○万までしか出さない」とか「俺が稼いできた金をなんでおまえに分配しなければならない?」…など

専門家
もはや妻の声は夫に一切届きません。悪いのは夫なのに、逆ギレされてしまう状態に陥ります。

 

不倫相手の慰謝料請求も苦戦する

頭を抱え込んでいる妻

夫との、慰謝料を含めた離婚条件の話し合いがまったく進まないと同じく、不倫相手に対しての慰謝料請求も苦戦するでしょう。不倫相手は簡単に応じないことが予想できるからです。

慰謝料請求された多くの不倫相手は、あれやこれやと言いわけをして、責任逃れをしようとします。

大抵の反応は・・・

「既婚者だと知らなった」
「相手が積極的に誘ってきたから私は悪くない」

なかには、

「不倫される方が悪いんじゃない!」
「恋愛は自由だし何が悪いの?」

このような言葉を吐かれ、さらに傷つけられるのです。

責任を認めさすのに時間も精神的負担がかかる

法律は不倫を不法行為だと規定しているので、不倫相手の言い逃れは通用しません。

しかし自分が悪いと思っていない相手に、慰謝料の支払いを認めさすには多くの時間がかかります。また何よりも、素直に自分の責任を認めない相手と接触し、慰謝料の同意を得るまでの精神的負担は多大なものです。

※ 言い逃れをする不倫相手の対象法の詳細は「【不倫相手が慰謝料を払わない】主な3つの理由と適切な対処法を解説」で取り上げています。

不倫相手の慰謝料を簡単に回収する方法

「HOW TO」と印字された木

お伝えした通り、不倫相手の慰謝料請求は、時間がかかり多大な精神定期負担を強いられますが、簡単に回収する方法もあります。

専門家
夫に不倫相手の分まで慰謝料を払ってもらえばいいのです。

不倫の責任は夫と不倫相手が連帯して取るものなので、夫に不倫相手の責任分まで慰謝料を払ってもらっても問題ありません。

お伝えした通り、夫は不倫相手との交際を今後も継続したいと思っています。夫は不倫相手の分も合わせて慰謝料を払えば、妻が不倫相手には慰謝料を請求しないなら、払おうと考える可能性があります。

誰の支払いでもお金の価値は同じ

不倫相手からもらうお金も、夫から不倫相手の分まで支払ってもらうお金も、お金の価値としては一緒です。

不倫相手から払ってもらった1万円が2万円の価値になるわけではありません。ならば慰謝料を素直に支払ってもらえる方に請求する方が、当然ながら精神的負担は軽くなります。

とはいえ、夫の不倫相手にも責任をしっかりとらせたい!と思う方もいるはずです。その場合の対応法は「夫が不倫相手の慰謝料支払いを拒否した場合」の欄でお伝えします。

夫と不倫相手の慰謝料をきっちり回収するには

夫が不倫相手の分まで払うことを了承すれば、それを確実にするために次の書類を作成しましょう。

夫と不倫相手の分を合算した慰謝料を記載した【離婚公正証書】を作成する。

慰謝料などの離婚条件をまとめた離婚協議書を、公正証書化にしたものが離婚公正証書です。一般的に弁護士などの専門家を通じて公正証書役場で作成します。

離婚公正証書の作成メリット

離婚公正証書を作成しておけば、もし夫が慰謝料を払わない場合は、夫の財産から強制的に慰謝料を回収することが可能になります。

 

不倫相手に慰謝料請求しないことを確約する

ゆびきりげんまんしている

不倫相手分も合わせて慰謝料を払う夫としては、妻が本当に不倫相手に慰謝料を請求しないか不安です。

「不倫相手に慰謝料を請求しない約束をしても、妻はやっぱり許せないと思い、不倫相手に請求するのでは?」

このように疑心暗鬼になり、一旦は不倫相手の慰謝料分の支払いを約束したが、あとで「やはり払わない」という恐れもあります。

法律的には夫が不倫相手の分までの慰謝料を払えば、不倫相手には慰謝料を請求することは基本的にできません。

例えば、二人の分を合わせての慰謝料が300万円の評価とします。

夫が300万円を支払えば、妻は精神的苦痛が慰謝されたと判断されるため、それ以上は不倫相手に払わすことができません。

※ このことの詳細は「不倫(不貞)慰謝料の求償権を解説【負担割合は? ポイントは放棄】」で取り上げています。

慰謝料請求しない旨を明記

夫が不倫相手分の慰謝料も合わせて払えば、不倫相手は慰謝料を払う必要がないと妻に認識させた。それでも夫は、妻が不倫相手に慰謝料請求しないか不安です。

お伝えした通り、妻が慰謝料請求することで不倫相手が夫を嫌ってしまい、交際関係を終わらす事態を夫が恐れているからです。

夫のこの不安を解消するためには、離婚公正証書に不倫相手には慰謝料を請求しない約束を明記することです。正式な書面に残せば、夫の不安はすべて取りのぞけるでしょう。

本来は妻と不倫相手との間で交わすもの

不倫相手に慰謝料請求しない約束は、妻と不倫相手との間でしないと効果はありません。しかし夫の不安を取りのぞくたけの目的なら、離婚公正証書に載せるかたちで問題ありません。

 

夫が不倫相手の慰謝料支払いを拒否した場合

両手の平を前に差し出し、拒否している様子の男性

夫が不倫相手分の慰謝料の支払いを拒否した場合や、どうしても不倫相手に慰謝料を請求したい場合は、次の手順で進めます。

まずは養育費や慰謝料などの取決めをまとめた離婚公正証書を作成します。次に離婚届を提出して、夫との離婚を正式に成立させてから、不倫相手に慰謝料を請求することです。

夫との問題を先に解決してから、不倫相手に慰謝料請求するのが、もっとも適切なタイミングです。

専門家
二人同時に問題解決させるよりは、精神的負担は軽く、事態が進展するスピードも速いでしょう。

なお、妻が不倫相手に対する慰謝料請求することを夫が反発していた場合は、撤回の意思をほのめかせておきましょう。離婚協議を円滑に進めるためです。

不倫の証拠を出すタイミング

夫の不倫相手に慰謝料を請求する場合は、内容証明郵便で行うのが一般的です。

※ 内容証明の詳細は「不倫問題で内容証明郵便を使うメリットを解説【請求書の例文あり】」で取り上げています。

慰謝料請求をする際、「不倫の証拠はいつ出したらいいの?」という疑問が出てくるでしょう。

専門家
結論からお伝えすると、不倫の証拠をだす必要はありません。

慰謝料請求書に次のような文章を入れ、具体的な証拠は明かさないでおきます。

【この度、○○と貴女との間に不貞行為があることの証拠を入手いたしました。】

これを見た不倫相手は、こちらがどのような証拠を持っているかわからないため、焦るでしょう。結果、自分で追い詰められて素直に不倫を認める可能性もあります。(責任を認めるかは別ですが…)

なお、内容証明郵便以外で慰謝料を請求する方法は「不倫相手に対する慰謝料請求の方法【直接会って請求する方法も解説】」で取り上げています。

不倫相手が証拠を出せと要求してきたら

不倫相手が不倫事実を否定してきたり、証拠を出せと要求してくる場合ももちろんあるでしょう。対応は、こちらが持っている証拠によって変わってきます。

決定的な証拠がない場合は、特に慎重な対応が必要なため、事前に弁護士などの専門家に相談しましょう。

※ 不倫の証拠の詳細は「【不貞行為の証拠集め】証拠になるものを解説|不倫の自白は立証可能?」で取り上げています。

まとめ

黒板に白のチョークでまとめと書かれている

離婚が決まった状況で、不倫相手に慰謝料を請求するタイミングや順序について取り上げました。

最後に、夫の不倫相手に対する慰謝料請求の適切なタイミングをまとめます。

慰謝料請求する適切な手順

夫に不倫相手にも慰謝料請求する旨を伝える

夫が強く拒否してきた

夫に不倫相手の分の慰謝料を払うように要求

夫が応じる:離婚公正証書で確約する(完結)

夫が拒否:不倫相手への請求断念をほのめかす(下へ)

離婚条件を公正証書に残したあと、離婚届を出す

不倫相手に慰謝料請求する

それでは最後まで見ていただき、ありがとうございました。

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