不倫相手があなたを傷つけたとはいえ、慰謝料を求めることに抵抗があり、決心をしきれない方もいるでしょう。しかし、慰謝料請求をしないとモヤモヤした気持ちがずっと続きます。
ここでは、不倫相手へ慰謝料請求する抵抗感や迷い、ためらいを取り払うための考え方などをお伝えします。
Contents
不倫相手に慰謝料請求する意義
不倫相手に慰謝料を請求するにあたり、次のような悩みをもつ方は多いです。
夫が不倫したことに対して、「自分に責任がまったくなかったか?」 と聞かれたら、そうとは言い切れない。加えて、夫婦の問題なのに不倫相手に対して、慰謝料を求めるのは筋が違うのでは?
不倫相手に慰謝料を請求してしまえば、不倫相手と同じ人間に成り下がってしまうのでは? そんな情けなくて、恥ずかしい行為をするべきだろうか?
不倫相手に対する慰謝料請求に抵抗がある方は、このような葛藤がり、なかなか決断ができないでいます。
慰謝料請求の迷いを吹っ切った方の事例
不倫相手に慰謝料請求する迷いを吹っ切った方の事例を紹介します。参考の1つにしてください。
悩みながらも、夫の不倫相手に慰謝料請求したのは、やはり気持ちに区切りをつけないと、前に進めないと思ったからです。
不倫が発覚したときから、離婚が成立するまでの間、精神的に少しおかしくなるほど辛い思いをしてきたし、夫との家庭も失った。それなのに不倫相手は何事もなかったかのように、平穏な毎日を過ごしている。このことがどうしても許せなかったし、この先もこんな嫌な気持ちを持ち続けるのは耐え切れないと思いました。
不倫相手に慰謝料を請求し、相手から謝罪を受けることで、この件を終わらせ、ケジメをつけるのでは? という思いから実行しました。
この方は実際に、不倫相手にきっちり責任を取らせることができ、気持ちに区切りをつけられました。
気持ちに区切りをつける大きなきっかけに
不倫をされた被害者の方は、婚姻を継続するにしろ、離婚するにしろ、前に進むためには気持ちに区切りをつけるのが大事です。
区切りをつける1つの大きなきっかけが、不倫相手に慰謝料請求をすること。なぜなら、やはり不倫相手にも多かれ少なかれ責任がある! という思いが根底にあるからです。
もちろん慰謝料請求したからといって、必ず気持ちに区切りをつけられるとは限りません。でも請求をしない限りは、それを実現するのは不可能。だから請求には大きな意味があります。
不倫相手に慰謝料請求しないリスク
不倫相手に対する慰謝料請求を迷っている方に、もうひとつお伝えしたいのが次のことです。
【不倫相手に慰謝料請求して金銭を受けとることは、法律上認められた権利を実現しようとしているだけ】
責任がある加害者が被害者に対し、金銭で償うのは当然の行為であり、後ろめたいことなんて何ひとつありません。
加えて、慰謝料請求しないことで、絶対に懲らしめるべき人間を見逃してしまう可能性もあります。例えば、次のような人間は懲らしめるべきでしょう。
とある女性は慰謝料を請求すると決意し、夫の不倫相手に慰謝料と謝罪を求めて、直接会いにいきました。その女性は素直に責任を認めて、謝罪をしてくれると信じていました。謝罪してくれれば慰謝料はどうでもいい、と嘘じゃなく思っていたそうです。
ところが、不倫相手は不誠実を絵に書いたような女性でした。責任を認めない上に、夫に不倫されたのはあなたが悪いと暴言を吐く始末。
もし、あなたの夫や妻の不倫相手が不誠実な人間だったらどうしますか?
絶対に許せないし、きっちりとケジメをつけさせないと気が済みませんよね。
請求することで不倫相手の人間性がわかる
慰謝料を請求しないと、不倫相手がどんな人間かも知る由もありません。知るためには請求するしかないのです。請求しないでいると、次のように喜ばせる可能性もあります。
このような人間ならば、当然ながら強い憤りを感じますし、懲らしめる必要が絶対にありますよね。
夫や妻の不倫相手の人間性を確かめるためには、慰謝料を請求しないとわかりません。請求した結果、不倫相手が素直に過ちを認めて謝罪するのであれば、慰謝料を大幅に減額するなどもできます。
※ 慰謝料請求した場合の不倫相手の反応などは「【【不倫相手が慰謝料を払わない】主な3つの理由と適切な対処法を解説」で取り上げています。
不倫の再発防止のためにも
慰謝料を不倫相手に請求しないリスクはまだあります。夫や妻の不倫発覚後も婚姻の継続を選んだ方が、もっとも心配なのは不倫の再発です。再発防止のためにも、やはり慰謝料を請求する必要があります。
慰謝料を請求しないでいると「何も言ってこないから、ほとぼりが冷めた頃にまた会いに行こう」と考えるかもしれません。この事態を防ぐためにも慰謝料を請求して、不倫相手に【関係の解消】と【復縁の禁止】を書面で確約させる必要があります。
※ 不倫の再発防止の詳細は「【不倫をやめさせる方法】誓約書を作成する際のポイントなどを解説」で取り上げています。
不倫相手に慰謝料請求したときの夫の反応が気になる
実際に、不倫相手へ慰謝料請求をしたときの夫または妻の反応が気になり、請求を実行することに迷いがある方もいるでしょう。慰謝料請求をほのめかしたときの夫の反応は、次の3つが考えられます。
個別に解説します。
不倫相手に対する慰謝料請求を認容する
不倫相手に慰謝料請求をほのめかしたときの夫の反応で、もっとも多いのは認容(無抵抗)でしょう。夫は自身の不倫問題で妻に離婚されたくないからです。
多くの男性は本気でまたは離婚覚悟で不倫をしておらず、出来心で妻以外の女性と不倫関係を楽しんでいるに過ぎません。よって不倫相手に慰謝料請求することに対し、何も言わない男性が多いです。
なかには妻が、夫の不倫相手に慰謝料請求するための相談に法律事務所に訪れた際、夫も一緒に同行し協力する男性もいます。
妻に許してほしい気持ちには変わらず
夫は妻と離婚したくないので、不倫相手に対する慰謝料請求を実行しても、夫の多くは妻に許してほしいという考えは変わりません。
なかには妻に離婚されても仕方がない、という諦めの心理を持っている男性もいます。
不倫相手への慰謝料請求を止める
不倫相手の慰謝料請求を止めるように求めてくる男性も多くいます。夫は迷惑をかけたくない気持ちから不倫相手をかばうのです。自分から積極的に誘った場合は特に止める傾向が強いでしょう。
なかには自分が不倫相手の慰謝料分まで払うから、慰謝料請求を止めるように求める男性もいます。
面倒なことは避けたい
妻の不倫相手に対する慰謝料請求を止める男性の多くは、面倒なことを避けたいという考えを持っています。すべての責任は自分にあると認めることで幕引きを図りたいのです。
多くは妻と離婚したくないと考えています。なかには離婚して不倫相手と一緒になりたいから、慰謝料請求されたくないと考えている男性もいます。
不倫相手へ慰謝料請求するのを怒ってくる
自分が不倫をしたのに、「俺が不倫したのもお前が女性として魅力がないからだ」などと逆ギレして怒ってくる男性もいます。
離婚しても構わない考えの男性も
夫が逆ギレする理由の1つは、妻に慰謝料請求を止めさせたいからです。「実行すれば離婚するから」などと脅して、妻に請求を断念させようとします。
自分は本当に悪くないと思っている男性は、離婚しても構わないと思って逆切れしています。
不倫相手に慰謝料請求するか否かの判断基準
不倫相手に慰謝料請求したときの夫の反応を考慮し、実際に不倫相手に対して慰謝料請求するか否かの判断基準をお伝えします。
離婚してもいい場合と離婚したくない場合によって判断は変わります。
離婚してもいい場合は慰謝料請求する
夫の不倫相手に慰謝料請求した結果、離婚となっても構わないと考えるのなら、迷うことなく慰謝料請求しましょう。
請求を断念して、その後もずっとモヤモヤした気持ちでいるのは精神的によくありません。気持ちに区切りをしっかりつけるためにも、不倫相手に慰謝料を請求しましょう。
不倫相手をかばう夫なら離婚後に請求する
夫が不倫相手をかばった場合は、不倫相手に対する慰謝料請求は離婚後にする方が無難でしょう。
夫が不倫相手と一緒になりたいと考えている場合は、請求を実行すると離婚条件の話し合いが困難になる可能性があるからです。詳しくは「不倫相手に慰謝料請求する適切なタイミングを解説【離婚する場合】」で取り上げています。
離婚したくない場合は慎重に判断する
夫と離婚したくない場合は、不倫相手に対する慰謝料請求は慎重に考える必要があるでしょう。特に夫に逆ギレされている場合は、慰謝料請求は保留するべきです。
基本的に不倫をした側からの離婚請求は認められません。しかし不倫相手の慰謝料請求を実行することで、怒った夫が家を出て行ってしまい、夫婦の実態を失う可能性も十分あります。
まとめ
不倫相手へ慰謝料請求する抵抗感や迷い、ためらいを取り払うための考え方などをお伝えしました。
不倫相手に対する慰謝料請求に迷いがあるのであれば、基本的に実行するのをおすすめします。気持ちに区切りをつけられる大きなきっかけになるでしょう。ずっとモヤモヤしていても前に進めません。
請求したあとで、実際にどうするかは考えられます。慰謝料請求は保留して誓約書を書かせることもできます。しかし請求しないことには何も始まりません。
それでは最後まで見ていただきありがとうございました。
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