不倫の密会がよく行わる場所の代表といえばラブホテルでしょう。
実際に、夫や妻が不倫をしている事実を知るきっかけも、ラブホテルに関することが多いです。
例えば、夫が他の女性とラブホテルを利用したとうかがえる内容のLINEなどを見たとき。または、妻の衣服からラブホテルに関するものを見つけたとき、などが挙げられます。
不倫された側の配偶者は、自分を裏切った配偶者やその不倫相手を許せずに慰謝料などを請求したい! と考えるのも当然です。
ここでは、ラブホテル不倫と慰謝料請求をテーマとして取り上げます。本記事を読むことで、現段階で不倫した当事者に慰謝料請求できるかがわかります。
Contents
不貞行為の立証は請求側にある
不倫の事実を配偶者や不倫相手が認めないときは、最終的には裁判上で争うことになります。
裁判上で配偶者などの不貞行為を理由に、離婚や慰謝料を請求するなら、請求側がその事実を立証することが必要です。
持っている証拠のなかに、客観的に見て不貞行為が疑われるものもありますが、それのみでは認められないケースも多くあります。
ラブホテルに関連する各証拠が、不貞行為の事実を認められるか否かを最初にお伝えします。
※ 不貞行為の詳細は「どこから不倫なのかを法律的な観点で解説【不貞行為の定義】」で取り上げています。
不貞行為がうかがえるLINEやメールのやりとり
配偶者の不倫事実を知るきっかけとして多いのは、次のような内容のLINEやメールを見たときでしょう。
「〇〇といるときが一番幸せ」
「今度の休みは二人でずっといよう」
「おとなの関係を楽しもう」
これらのような内容のLINEなどは、相手との関係がかなり怪しいと窺えます。しかし不貞行為の有無はわからないため、これのみでは証拠になりません。
それでは次の内容はどうでしょうか?
「あのラブホテルは雰囲気がよかったね」
「この前使ったラブホテル次も行こうか?」
二人がラブホテルを利用したことがわかる内容であっても、残念ながら、これだけでは不貞行為があったと認められません。
次のような言い逃れが可能だからです。
【あのLINEはちょっとした悪ふざけしただけ。実際は何もないよ】
以上のことから、不倫がうかがえるLINEやメールだけでは、裁判では不貞行為があったと認めてもらえません。
しかし、別の証拠を組み合わせることで、不貞行為があったと認めてもらえる可能性があります。詳しくは後でお伝えします。
ラブホテルの領収書は不倫の証拠になる?
夫の鞄からラブホテルの領収書やライターが見つかった。「夫の不倫は間違いないし、不貞行為の確たる証拠になる!」
当然このように思うでしょう。一人でラブホテルに利用することは考えられないからです。
ラブホテルの領収書では不貞行為を認めない理由
どうして!? と思うかもしれませんが、実は多くのラブホテルは一人でも利用が可能なのです。実際に一人で利用している人はいます。例えば次のような状況になったときです。
急に泊りの出張をしたが、ビジネスホテルやシティホテルなどが空いていなかったため、仕方なくラブホテルに泊まった。
近年は外国人観光客がたくさんいるため、事前に予約しないと利用できない事態が多くなっています。
他には、急に体調が悪くなり、少し休むために、ラブホテルに入ったという人も稀にいます。
裁判所は可能性を否定できない
不倫をする側は、バレたときの言い逃れの材料として、上記のような言いわけを考えています。
裁判所は、先ほどの例のような理由でラブホテルを利用する可能性を否定できません。よってラブホテルの領収書などの証拠だけでは、不貞行為があったとは認めないのです。
しかし別の証拠を組み合わせることで、不貞行為があったと認めてもらえる可能性があります。詳しくはこの後お伝えします。
複数の不倫の証拠を組み合わせる
ラブホテルにいたとわかるLINEや、ラブホテルの領収書などは、それ単体では確たる証拠にはならないとお伝えしました。しかし、それ以外の証拠を複数組み合わせることで、不貞行為があったと認めてもらえる可能性があります。
それ以外の証拠とは、不倫相手が関与した次のようなものです。
- 配偶者が不貞行為の事実を認めた書面
- 電話の通話履歴
- クレジット明細
- 不倫相手からの手紙やプレゼント
- 食事をした飲食店の領収書
- 友人や関係者など第三者の証言…など
これを見られた方の多くは、「こんなの意味がないのでは?」 と思われるでしょう。しかしこのような些細なものでも、ときには大いに役立ちます。
個々の証拠が結びつく
証拠を組み合わせることで、不貞行為があったと認めてもらえる例をお伝えします。
配偶者のLINEで次のような内容のメッセージを見つけたとします。
「昨日泊まったラブホテルは居心地がよかったし、何よりも君(不倫相手)とのエッチは最高だった。」
繰り返しますが、このLINEだけでは不貞行為の確たる証拠にはなりません。
しかしその後に、配偶者の上着のポケットからラブホテルの領収書を発見。領収書の日付は、先ほどのラブホテルで性交渉したことがわかるLINEの受信日の前日であった。
もちろん領収書だけの場合も、確たる不貞行為の証拠にはなりません。
そこで【ラブホテルのLINEメッセージ】と、【ラブホテルの領収書】を組み合わせてみましょう。
お互いの関連性が強いことから「二人の間に不貞行為があった」という推測が働きます。結果、裁判所が不貞行為があったと認める可能性が高まります。
些細な証拠でも必ず残す
例のように、それ単体では証拠として弱い、または意味がないと感じる証拠だとしても重要証拠となる可能性があります。
わずかでも不倫と関連性があると感じたなら、その証拠は必ず残すようにしましょう。
※ 不倫の証拠に関する全体像の解説記事は「【不貞行為の証拠集め】証拠になるものを解説|不倫の自白は立証可能?」で取り上げています。
ラブホテルに出入りする写真は不貞行為が立証できる
単体で不貞行為が認められる証拠は「二人がラブホテルに出入りしている写真や動画」です。
不貞行為の定義とは「配偶者以外の異性と自由な意思で性的関係を持つこと」
ラブホテルは一般的には、男女が性交渉をする目的で利用します。「ラブホテルを利用する=性交渉をもった」とみなされる可能性が極めて高いといえるでしょう。
ラブホテルの利用事実を客観的に証明できるのは、2人がラブホテルに出入りする瞬間をとらえた写真などです。現場を押さえるのは不可能に近いでしょう。
撮影する際のポイント
写真や動画を撮影する際には、「二人が一緒にラブホテルに出入りするところ」をしっかり押さえることです。一人だけでラブホテルに出入りする写真などを撮っても、不貞行為があったとは認められません。ひとりで利用したという言い逃れができるからです。
個人でラブホテルの写真を撮るのは困難
2人がラブホテルに出入りする写真などを押さえるには、尾行するための時間や体力、何といっても高い技術が必要となります。
個人がラブホテルの不倫調査するのは難しいでしょう。不慣れがゆえに途中で見失ったり、尾行しているのが配偶者にバレる可能性が高いからです。
※ どうしても個人で不倫調査をしたい方は「【不倫調査】自分で尾行してバレずに証拠を得る!その方法を徹底解説」を参考にしてください。
探偵選びは慎重に行う
ラブホテルの出入りする写真や動画がほしいなら、不倫調査のプロである探偵を利用するのが現実的です。
しかし探偵に不倫調査を依頼すれば、結構な費用が必要となります。加えて、この業界は以前より少なりましたが、悪徳業者も存在します。
探偵に不倫調査を依頼するなら、慎重に業者を選ぶようにしましょう。
※ 適切な探偵選びの詳細は「【探偵業者の正しい調べ方】不倫調査の依頼先を決める8大ポイント」で取り上げています。
※ 不倫調査における探偵料金の詳細は「探偵の不倫調査はいくらの費用がかかる?【料金を抑えるポイント】」で取り上げています。
スマホにラブホテルの映像が残っている可能性も
配偶者のスマートフォンに、ラブホテルなどで不倫相手と性交中の画像や動画などを残している場合があります。
性交中の動画などは、それが不倫している配偶者や不倫相手と特定できるなら、その動画単体で不貞行為の立証が可能です。
近年のスマートフォンの普及や技術の向上で、性交渉の動画などを残す人は多くいます。チャンスがあるなら必ず確認しましょう。
まとめ
ラブホテル不倫と慰謝料請求をテーマとして取り上げました。
基本的には些細な証拠物と感じても、それらを組み合わせることで、不貞行為の事実を裏付けできる可能性があります。その判断は弁護士などの男女トラブルの専門家に相談するといいでしょう。
証拠がなにもない場合などは、探偵を利用してラブホテルの出入り写真などの証拠を入手することも考えられます。探偵業界は不透明な面があるので、探偵選びは慎重に行ってください。