浮気不倫の慰謝料請求と離婚の準備の部屋

不倫裁判のメリット・デメリットや流れを解説【勝訴判決を得られる証拠】

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  • 不誠実な対応を取る不倫相手が許せない!
  • 責任とらすためなら裁判だってやる!
  • 最初から裁判をしてもいい?

夫や妻の不倫相手の態度を許せずに、裁判を起こしてでも責任を取らせたい! と考えていませんか。

確かに、不倫裁判で勝訴判決を得られれば、不倫相手に責任をしっかり取らせられます。しかし、不倫裁判を起こすためには多くの時間と費用が必要になります。

ここでは不倫裁判(不倫慰謝料裁判)について解説。本記事を読めば、不倫裁判のメリット・デメリットや、裁判を起こすまでの段階、裁判の流れなど網羅的な情報がわかります。

専門家
裁判はあくまで最終手段です。その理由を詳しくお伝えしています。

※ 裁判所を利用した不倫問題の解決方法には調停もあります。調停の制度を知らない方は次の記事も合わせて確認ください。

≫ 不倫慰謝料請求調停の流れやメリットなど解説【不倫相手の責任追及】

不倫裁判を起こすための要件とは

不倫裁判を起こすための要件

不倫相手に責任を取らすための裁判を起こすには、主に次の要件が必要となります。

個別に内容をお伝えします。

相手を既婚者だと知っていたこと

不倫相手が相手を既婚者だと知りながら、性交渉を行った場合には、不倫裁判を起こすことができます。

不倫相手は自身の行為が、夫婦関係を破壊したり、少なくても不倫をされた側の配偶者に、精神的苦痛を与えるのをわかっています。

不倫相手は自分が加害者である認識があるといえるでしょう。よって、被害者に対して責任を負うことになるのです。

もし不倫をした配偶者が「僕は独身者だ」などと偽って、不倫相手と性交渉を行った場合は、裁判を起こせません。しかし、不倫相手が既婚者だと知らないことに「過失」がある場合は、裁判を起こせます。

専門家
「過失」があるとは、ちょっと注意したなら相手を既婚者だとわかる状態のことです。

例えば、相手と一緒の職場に勤めてたり、結婚指輪を嵌めている場合などが挙げられます。

性交渉があったこと

不倫配偶者と不倫相手との間に性交渉があることが必要です。

手をつなぐ、キスをする、プラトニックな関係でとどまる場合は、基本的に裁判を起こせません。

プラトニックな関係が長年にわたり続いている場合などは、裁判を起こす余地はあります。

不倫の証拠がある

裁判官から不倫相手に対して、「慰謝料200万円を払え」という判決を出してもらうには、それを裏付ける証拠が必要です。

証拠もなく慰謝料を請求してみても、不倫相手が拒否してしまえば、裁判官は不倫の事実があったとは認めません。よって不倫裁判を起こすためにはそれ相応の証拠が必要です。

例えば、二人がラブホテルに出入りする瞬間の写真などは、不倫を裏付ける決定的な証拠になります。

以上が不倫裁判を起こすための要件となります。なお、これらの要件は不倫相手に慰謝料を請求できる要件と同様です。

※ 不倫相手に慰謝料請求できる要件の詳細は「不倫相手に慰謝料請求するには?【故意過失など請求要件5つを解説】」で取り上げています

不倫裁判を起こすべきケース

不倫裁判を起こすべきケース

不倫裁判を起こすケースとして多いのが、慰謝料の金額面で話し合いが不倫相手とまとまらない場合です。

なかでも請求側の金額と不倫相手から回答してきた金額に、大きな隔たりがある場合には、不倫裁判へ進むことが多いでしょう

例を挙げると、300万円の慰謝料を請求したのに、不倫相手からは100万円以下の回答であった。その額は判例などを考慮してもおかしいと反論しても、不倫相手は断固して譲らない場合です。

不倫相手が請求を無視し続ける場合

不倫相手に慰謝料を請求する際は、内容証明郵便を使用して請求するのが通常です。

その内容証明郵便を不倫相手が無視し、その後も何度か催告書などを送ってもなお、無視する場合も不倫裁判を起こすことになります。

※ 内容証明郵便の詳細は「不倫問題で内容証明郵便を使うメリットを解説【請求書の例文あり】」で取り上げています。

不倫裁判を起こすメリット・デメリット

不倫裁判を起こすメリットとデメリット

不倫裁判にはメリット・デメリットがあります。個別に内容をお伝えします

不倫裁判を起こすメリットとは

裁判を起こし勝訴判決を得られれば、不倫相手に賠償責任があることが確定し、慰謝料の支払い義務を負います。

もし不倫相手が慰謝料を払わない場合は、不倫相手の財産を強制的に差し押さえ、その財産から慰謝料を回収することが可能です。

不倫相手が裁判に出頭しない場合はおのずと敗訴となり、不倫相手は慰謝料の支払い義務が確定します。

不倫裁判を起こすデメリットとは

不倫で裁判を起こすためには、必要書類を用意して裁判所に提出する必要があります。

個人で準備するのも可能ですが、必要書類の作成は非常に高度な専門知識を要します。ほとんどの場合は弁護士に依頼する必要がありますが、高額な費用が掛かります。

裁判の結果が出るまでの期間も長く、事案にもよりますが6か月ほど必要です。

不倫裁判を弁護士に依頼した際の費用

弁護士に不倫裁判の弁護を依頼した場合の費用を、ここでは取り上げます。

一般民事事件の場合、主には次のような費用が通常必要です。

民事裁判にかかる一般的な費用

着手金:20万円~40万円(税別)
収入印紙どの実費:2万円~3万円程度
日当交通費:1万~2万程度(出廷1回)

勝訴判決を得た場合はこれらに加え、成功報酬として慰謝料金額の16%~21%程度という規定を置く事務所が一般的です。

例えば、着手金を30万円とし、成功報酬を20%と仮定します。不倫相手から200万円の慰謝料を勝ち取った場合に手元に残るお金は次の通りです。

着手金:30万
成功報酬:40万
手元に残るお金:130万円

かなり大雑把に算出しましたが、弁護士に依頼した場合はこれぐらいの費用は必要だと考えましょう。

不倫裁判を起こすまでの流れ

不倫裁判を起こすまでの流れ

不倫の裁判を起こす流れについて取り上げていきます。

大きくは次の3つの段階を踏むことになります。

個別に詳細をお伝えします。

段階① 不倫の証拠を入手する

お伝えした通り、不倫の裁判を起こすためには「不倫の証拠」が必要です。

法的な不倫の定義は、2人に不貞行為(性交渉)があったことです。

※ 不貞行為の詳細は「どこから不倫なのかを法律的な観点で解説【不貞行為の定義】」で取り上げています。

専門家
2人がラブホテルに出入りしている際の写真は、決定的な不倫の証拠となります。

仮に不貞行為がなかったとしても、性交渉を目的に使われるラブホテルに入った時点で、「性交渉があった」と裁判所は判断します。

ラブホテルに出入りする写真を個人で撮るは困難であるため、探偵を利用するのが現実的です。

ただし探偵業界も不透明な業界です。探偵選びを間違えると多額の費用だけが掛かり、何の証拠も得られない最悪な事態となるため、探偵選びは慎重に行いましょう

※ 間違いない探偵の選び方は「【探偵業者の正しい調べ方】不倫調査の依頼先を決める8大ポイント」で取り上げています。

LINEのやりとりも証拠の一部になる

配偶者と不倫相手とのLINEやメール、通話記録、SNS上のやりとりも証拠になります。しかし、これ単体だけでは勝訴判決を得るのは難しく、これら以外の複数の証拠が必要です。

点である複数の証拠が線として繋がれば、不倫事実があったと認められます。

※ LINEやメールの不倫の証拠能力などは「不倫(不貞行為)のLINEやメールを発見!裁判でも通用する証拠?を解説」で取り上げています。

段階② 示談での解決を試みる

不倫の裁判のデメリットの欄でお伝えした通り、不倫裁判を起こすためには多くの時間と高額な費用がかかります。よって、まずは示談での解決を試みるのが一般的です。

示談のほうが早期の解決が望め、費用も抑えられるからです。

不倫相手に慰謝料を請求する際は、通常は書面で行います。不倫相手と書面でやりとりを行い、最終的にこちらが希望する慰謝料の支払いに応じさせます。

慰謝料を請求したが、不倫相手が無視したり、回答額が不倫慰謝料の相場額より大きく下回る。この場合は裁判を起こさない限り、自身が希望する結果を得るのは難しいです。

専門家
大体7割ほどは示談交渉で解決しているため、まずは示談での解決を試みましょう。

※ 示談交渉の詳細は「【慰謝料請求の流れを解説】夫や妻の不倫相手に慰謝料請求したい!」や「不倫相手に対する慰謝料請求の方法【直接会って請求する方法も解説】」で取り上げています。

段階③ 不倫裁判を起こす

示談での解決が望めない場合、最終的に不倫の裁判を起こすことになります。裁判は訴える人である「原告」が、裁判所に「訴状」を提出することにより起こせます。

訴状には「被告は300万円を支払え」といった請求の趣旨や、請求の原因といった「300万円支払え」の根拠となる事実を記載します。

お伝えした通り、訴状などの必要書類を一般の方が作成するのは困難であるため、弁護士に依頼するのが一般的です。

訴状提出後の流れ

訴状提出後の流れ

訴訟提出後の流れを大まかにお伝えします。

訴状を提出後は、裁判所は訴状の審査をします。問題がなければ、第1回口頭弁論期日を指定します。期日は訴状提出から約1~2か月後くらいの日時です。

裁判所を通して不倫相手に「特別送達」という方法で口頭弁論呼出状と共に訴状一式などの書類が送付されます。

それに対して、今度は不倫相手(被告)が「答弁書」という反論の書面を裁判所に提出。これらを経た後、両者は裁判所に出向き法廷に立ちます。

法定では書面でのやりとりが中心

法廷ではまず弁論手続きがなされて、原告と被告おのおのが言い分を主張します。

ドラマみたいに法廷において口頭でやりとりをすることは少なく、書面でのやり取りが多いです。

ある期日で原告の主張・立証を行うと、次の期日で被告がこれに対する反論・反証を行います。そして再度原告が…という流れで、期日は進んでいきます。

このように書面で審理を進めるため、ある程度裁判が進行するまで時間が掛かります。ある程度とは、原告・被告双方の主張や立証が尽くされるまでです。

期日は月1回くらいのペースで実施されます。

裁判所が和解を勧めることもある

ときに裁判所は和解をすすめる場合もあります。一般的なケースは、両方の主張・立証が尽くされてきた頃合いに、裁判所から和解についての提案がなされます。

双方が提案を受け入れ「和解」すると裁判はここで終了。和解が成立すると紛争解決の証である「和解調書」が作成されます。

和解を受け入れない場合

和解を受け入れない場合には、判決へ向け手続きが進められます。

証拠調べが実施される

必要な主張・立証を行い、そして【証拠調べ】が実施されます。証拠調べとは、つまり証人尋問のことです。証人尋問とは、裁判所へ提出した書面の内容を質問したり、書面に記載がないことを質問する、などの目的で開かれる手続きです。

不倫の事実関係の概要や、詳細なやり取りなど、当人でないとわからないことを実際に質問します。 

裁判官は双方などから話を聞き、判決に必要な情報を得ます。

判決が言い渡される

一切の必要手続きが終われば、最後に判決の言い渡しがされます。

判決は「被告は原告に対し金200万円支払え」や「原告の請求を棄却する」といった内容になります。

判決に不服がある場合

言い渡された判決に不服がある場合は、判決から2週間以内に高等裁判所などへ控訴の申立てをするか否かの判断が必要です。

まとめ

不倫裁判のメリット・デメリットや流れを解説のまとめ

不倫裁判についての網羅的な情報をお伝えしました。不倫裁判を考えている方の参考になれば幸いです。

お伝えした通り、不倫裁判は多くの時間と費用がかかります。まずは示談から始めてみて、問題解決に至るのが困難なら最終手段として裁判を起こす流れとなります。

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夫や妻の不倫相手に対する慰謝料請求を成功させるための鉄則を取り上げています。

≫ 不倫相手への慰謝料請求を成功させるための鉄則【自分では失敗する】

合わせて確認したい記事

不倫慰謝料を相場よりかけ離れた金額を請求すると、裁判に発展する可能性が高まります。次の記事は不倫慰謝料の相場について解説しています。

≫ 不倫慰謝料とは|目安はどれくらい? 【離婚しない場合も含め解説】

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